内容説明
国民であることはどういうことか?国民国家とは何なのか?憲法の本当の意味とは?その答えはジョン・ロックまで遡る必要がある。国民の権利をもう一度考えるために―。
目次
第1章 なぜいま、社会契約論なのか(オバマ大統領の強さと弱さを問う;菅直人首相の「国会内閣制」論の問題を探る;「イラク訴訟:名古屋高裁判決に社会契約論の活用を見る)
第2章 社会契約理論の創造現場に立ち会う(ロックの生涯とその時代;医学研究と三冊の代表作;『統治論』が取り組んだ課題を把握する)
第3章 社会契約を使いこなす技術を習得する(「ロック史観」で絶対王政擁護論の矛盾を解明する;「社会契約をする」とは何を行うことなのか)
第4章 社会契約論の実践を検証する(『統治論』を実践論として理解する;社会契約の実践としての名誉革命)
附論 社会契約論小史(「ホッブズ問題」とロックにおける社会契約と蓋然性論;スミスにおける社会契約論の進化;マルクス(1)―工場法と普通選挙権
マルクス(2)―コミュニズムにおける社会契約論の止揚の試み
二〇世紀―ラスキとパーソンズ)
著者等紹介
伊藤宏之[イトウヒロユキ]
1945年、愛知県生まれ。現在、福島大学特任教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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うえ
9
ロック社会契約論の解説から、20世紀におけるパーソンズ等の社会契約論の諸相を見る。「パーソンズは…経済、政治、人種などの不平等の問題にとりわけ注目します。それらの不平等を見れば、スミスのいう利害の自然的不一致は認められないし…不平等を搾取に基づく「和解しがたい階級対立」として階級闘争に解決を求めるマルクスにも同調しえない、とパーソンズはいう…労使間の対立は、古くはホッブズが提起した「秩序の問題」であって、労使双方に共通の人権という価値を「制度化・内面化」すること、すなわち「権威的配分」によってのみ可能」2021/05/23
壱萬参仟縁
8
新刊棚より。市場原理主義は官僚主導の消極版(37頁)。ロックの国家共同体論(168頁)。自然状態→政治社会→統治機構とボトムアップの図式。社会契約の括りは、統治契約と原契約。前者は保障、信託とつながる。また、後者は、移行とつながる。人権保障しない代表は交代しなければならない(183頁)とも書いてある。最高執行権者の信託背反(186頁)。日本国憲法にも前文に、信託、トラストが書いてある。これを国民から失うとか、国民を裏切るとか、いうことになると、為政者は権力の座から去るべし。A.スミスの同感も(220頁)。2013/08/04
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